知らないけども、未だに約半分のスペースは全く無関係のダイヤ業者が使っていて、完全に明け渡されるのは約2ヶ月くらい先のこととか。
ヨーロッパの事務所の良いところは、アパート(日本で言うマンションだが)などもそうだが、デスクやテーブル、椅子、棚などが作り付けなどで既に備わっているというところ。まさに雑で縦のものを横にもしないSたちにうってつけやね。
以前よりも格段に機能的なデスク周りだし、数人が一度に食事できるダイニングキッチンも付いているし、そのダイニングから非常階段に出て外気を吸えるのが嬉しい。Sファミリーは皆ノースモーカーなものだから、これで遠慮なくタバコも吸えそう。
どんな因縁か、10年くらい前、ここはインド系の会社が入っていて、Sに連れられて来たことがある。その会社は後にAntwerpで1,2を争うダイヤ業者に成長し、それこそ新築の大きなビルの2フロアを占領するまでになった。
そう言う意味ではゲンが良いと言える。
Sファミリーのさらなる発展を祈りたい。
さて、この原稿がUPされるころには既に誰か日本人コレクター氏の所有物となっているような気がするが、来ていきなり強烈なものを見せられた。
0.65 crt Fancy Deep Blue Green (GIA)
何と、これはSの所有物。
原石のディーリングをやっている長兄から入手したとのこと。
綺麗なGreen−Blue、Blue−Green系のものはL氏のところで何点か見せてもらって既にこのHP上でも紹介済みだが、それらとは明らかに異なるフェイス。
とにかく色濃いBlue-Green。全体が奥深いところから色の重なり、GIAのグレードを見なかったら我々プロでさえダイヤとは思わないような色のノリ。
こんなのは初めてである、ダイヤをダイヤとは思えないなんてね。
当然ながら、意見と評価の分かれるところ。
ダイヤなんだから透明感が重要なんじゃないかとS兄は言っているが、カラーダイヤを専門としているウッキーは非常に評価する。色濃くなってDeepというグレードが付くと、黒っぽいとは言わないまでも相応に暗い感じが伴なってしまうものであるが、それがない。
極めつきのFancyというところか。
Price?
$100,000/crtは超えるものと推測されるね。
これとは別にSは、0.4 crtのFancy Vivid Green(GIA)を東京の業者に委託しているようである。これは、ニューヨークのカラーダイヤモンド・ディーラーの所有物で、Priceは$200,000/crtを超えているとか?!
これにはお目にかかったことはないけども、
S曰く、「English Grassのような色」
『サッカー場の芝の色か? それやったらYellowish Greenやないか』
と聞くと、その通りと言う。
な、な、何―――!
GIAも気がふれたか。
Fancy Intense Yellowish GreenにFancy Vivid Greenのグレーディングするとは!!!
これは早速に日本中のYellowish Greenを集めてGIAに送らないといけないようだ。
4月5日、
ローマ法王が亡くなって、こちらのテレビはその関連番組ばかりだ。
ベルギーには西ヨーロッパ各国の放送が入って来ていて、と言っても各国とも2,3チャンネルしかないようだが、大体が地味な番組が多いのだけども、それが一層薄暗いグレイ調になっているし、スポーツや音楽チャンネルは自粛されているものだから全く見るモノがないのも同然である。
ここで日本人なら誰でも思い出すのは昭和天皇が崩御された時のこと。
昭和最後の日と平成最初の日はNHK教育テレビ以外黒い枠付きのグレイ画像だったね。都市の喧騒が途絶えて、レンタルビデオ屋さんだけが大繁盛だった。
どこそこの現職大統領や首相が亡くなってもこうはなるまいと思われるね。
昭和天皇とヨハネ・パウロU世、
好む好まざるに関わらず、多くのものを超越した存在であったことを認めざるを得ない、同種のオーラを発していたお二方であった。
というようなことを思いつつ、
ダイヤモンド街に足を踏み入れれば、超現実的な世界の極めつけ、
L氏の事務所。
これまでL氏には多大の敬意を払ってきたけども、コヤツも所詮ゼニの亡者か。
ピンクを始めとするカラーダイヤの供給難とPrice高騰に言いたい放題の値段設定である。しかも、余程フランスやイタリアのジュエリーデザイナー相手に儲かる商売が出来るのであろう、ウッキーにはアイクリーンでインテンスな色のものを全く見せようともしなくなった。
クソッタレ野郎め、
早いとこ、しこたま貯めたゼニとカラーダイヤを持って閻魔様に会いに行きやがれ!
ところで、ウッキーの出張と時を同じくして、年中行事のバーゼル・フェアが開催されているようだが、もう終った? とあるカラーダイヤ屋の商品、総額40〜50万ドル相当(約5,000万円)が会場で盗まれたそうである。
しかしまあ、これって一体どういうこと?
狂言でなくホントの話であったとしたらルパンの仕業としか思えんね。昨今のこと、テロの心配もあるし警備は超厳重に違いないだろうしね。
L氏の商品だったら良かったのに。
続くー
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