◆ ベルギー カラーダイヤモンド買い付けレポート 2003年11月 Page: 1 2 3 4


“Believe me!”
“Believe me, believe me, believe me!!!”
ユダヤ人やインド人が商談中に連発する言葉である。
『信じなさい!』
『俺を信じろ!』
『頼むから信じてくれ!』
本来なら中学で習った教科書通り、話の流れで上記のような訳が付けられるのだろうが、彼らの“Believe me”は吉本の芸人が舞台の上で『ホンマやでえ』『ほんまでっせ』と言っているのとほぼ同義語、まったくもってあてにならない言葉なのだ。
一体全体奴らの何を信じろと言うのか?
確かに天然100%のダイヤモンド、これは信じる、これまでも買ってきたものがジルコンだったことはなかった。
しかし、君等のことを信じて何度損失を出してきたことか。
今でこそ、“Believe me”と言われたら苦笑いを浮べながら
“I always believe you.”
と切り返せるウッキーであるが、元来は田舎モノの正直屋、ホント以前はよくこの“Believe me”にしてやられたものである。
“Believe me”と言われ、もうほとんど儲けを手中にしたような気になる、得意先から『ええもん買うてきたなあ』と誉められたような気分になる、なんでやねん、賢い奴らはそんなこと、“絶対儲かる!”なんて一言も言うてへんのや!!
忘れられない“Believe me”談・・・
サラリーマン・ウッキー、初めてPINKなるものに挑戦した時だった、
普通の場合、常識あるバイヤーだったら初回は小さいものからやるだろう、それをなんと・・2.5crtsをね・・アホとしか言いようがないが、時はバブルの残照が少しあったような平成4、5年くらいだったかな、こんなビッグサイズのラウンドでSI1、カットは素晴らしかった、AGTでExcellentだったな、しかしながら肝心のカラーはVery Light Pink(これはあくまでも結果、現地ではこれがFancy Pinkと思っていたウッキーである)、50万くらいで買ったら全く問題ないが(そんな値段であるわけないが)、その10倍近くは払った、ホンマ正気の沙汰とは思えん! しかし、まさに“Believe me!”の連発にやられた結果。
せやけどなあ、ちょっとヒド過ぎる、一体何を信じた?
最初はもっともっとキツイ値段をOfferしたのだけれども、それに怒り出したブローカー氏、『俺はなあ、毎日毎日家族のために遅くまで働いて、苦労してこんな素晴らしい商品を調達してきたんや、そんな商品になんでお前はそんなきつい値段を言う!・・・』とかなんとか、目一杯まくし立てる。その後に“Believe me”ちゅうわけや、ホンマ俗に言う‘いい奴’ウッキーはコロリと、ということでございます。
奴等のbelieve meは、“俺はこれを良い商品と思っている”ことを信じろ、ということなのだ。
“世界中どこでも良い商品”ということではないのである。

皆さん、ホンマに気付けてください。
美しいKing's Englishの英国人紳士淑女に言われたならともかく、海外で“Believe me”は『気つけや、だまされるでえ』ちゅう意味や!

この2.5crtsの薄――いピンクには少し後日談が・・・
ウッキーがサラリーマンやめる時にまだ会社の金庫に堂々鎮座しておりましてね、親分から『会社辞めるんやったらアレ売ってからにせんかい』と言われるのではないかと恐れておりましたが親分もいろいろと忙しかったのでしょうな、全然気ついてなかったみたいでね。そして、独立して2、3年後、とあるお客さんからTELもらって『おもろいピンクダイヤあるでえ・・』と見に行ったところ感動の再会、オー―、どこまでも追っかけてくる、人生はホンマ恐ろしい!


2003年11月12日午前8時、
アントワープ、カールトンホテル。
出動前のひととき、窓から街路を眺めている。
欧州に冬の訪れは早い。
車が通るたびに黄色くなった広葉樹の大きな葉っぱが舞い上がっている、
どこから見ても真冬のベルギー、気温は2度3度というところか。

一昨日の夕方に到着。
今朝も足元から這い上がってくるような寒気で早朝に目覚めた。
暖房?
以前にも書いたが、天井付近のエアコンから温風が出て来るというベルギーの冬を全く舐めたようなシロモノ! 室温は確かに上昇するが、顔がホテる足元涼し、加えて、室内の空気はカラカラ、砂漠のようなドライエアーだ。こんなものOnにして寝た日にゃ目の玉の奥までヒビ割れてしまうだろう。タバコの火もよく燃える、万一、カーペットの上に火を落として気が付かなかったら10分後には確実に窒息死、1時間後には丸焼けウッキーの出来上がりだ。
定期的に水分を補給していないと鼻の奥ノドの奥まで乾いてしまいそうなドライモード。
そんなわけでエアコンは真冬でも付けたことがない。
しかし、そんなことで真冬の滞在を凌げるのか?
部屋にいるときは、酒飲んでるか、厚着で寝てるか、風呂に入っているか。
どうだ、完璧だろう。
バイヤーは寒さとも闘わないといけないホーントつらい商売だということを理解してほしい。

さーて、
バイヤー・ウッキー、今年最後の買い付けである。
宝の山を求めて、なんていう古い考えは全く持ってないけれども、
“お正月のお餅を家族で食べたい!”
“少しは良い思いもしたい!”
など等、人並みの幸せを願って、
そして、ウッキーが背負って帰る“買い出し品”に期待してくれている方も少しはいらっしゃる、そんな人たちの顔や声を思い出しながらキラリと輝くファンシーなものに巡り合えることを切に願うばかりである。

出国したのは月曜日だった。
総選挙翌日、詳細を伝える朝刊片手に機中の人となってからもう50時間以上経過している。
民主躍進、与党の安定多数。
国民の絶妙なバランス感覚を見たような気がする。
自民党には多くを期待できないというものの、‘ええかっこしい’菅には国政を任せられないという至極まともな選択だろう。
そして大変目出度い事に、“反日政党”の大幅議席減!
社会主義・共産主義という自らの思想と理念のために国民を誤った方向へと導いてきた大罪人たちにやっと審判が下った。
自民、民主のハザマで存在感が薄れただのとお題目を唱えるのは勝手だが、マスコミはもっとはっきりと言うべきだ、無理かも知れんなあ、未だに左翼思想に凝り固まっているマスコミ人も少なくないようだから、それならいつものようにウッキーがはっきりと物申す。
『売国奴に死を!』
選挙のたびにソ連・KGBから資金援助を受けてきた社民党の前身、社会党。
“援交”の相手が死んでもなお身を売り続けようとするようなバカ女どもに未来があるはずはないのである。
横路や赤松という旧社会党の残党どももついでに落ちればよかったのにねえ。
創価学会(公明党)が何百万といるのだから‘共産学会(共産党)’が未だに存在しても不思議じゃないが、ホンマ共産主義というのは宗教やなとつくづく感じるね。奴等は特攻テロはしないけれども、思考回路はどこぞの国のクレージー集団と何ら変わりはない。軍備拡張を続ける中国共産党と結託し、大企業を潰せ、自衛隊をなくせと叫びまわる彼ら彼女らの頭の中は生まれた時から真っ赤なのだろう。奴等は、自衛隊が今にも海外侵略するようなことを日々街頭演説で言っているけれども、ウッキーには、奴ら日本の共産主義者たちが思い余ったイスラム教徒のように自爆テロに出る可能性の方が遥かに高いように感じる。
共産主義というのは“植物状態”のイスラム教だ、何かの刺激で突然目を醒ますことがあるかもしれないし、マルクスの資本論をコーランのように大事に抱く彼らには、時代の移り変わりは何ら問題ではない、技術革新なんて必要ないのである。イスラム教は‘剣かコーランか’であるが、共産党というのは本来‘剣か資本論か’なのである。彼らが寿命尽きて安楽死するのを願うばかりである。
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◆ Back Number ◆
2005.07 Cut & Polished in Belgium
2005.04 ルフトハンザで出国
2005.02 オリーブの漬物
2004.11 ベルギーの初冬
2004.9 上手なブラフの使い方?
2004.8 2004アジアカップ
2004.4 ゴールデンウィーク に オランダ を想う・・・。
2003.11 Believe me!
2003.7 Vacances!
2003.5 日本とベルギーの規範
2003.3 ベルギー名物と言えば
2002.9 空港のネーミングについて
2002.5 ワールドカップ
2002.3 ひな祭り
2002.2 ユーロとトラブル
2001.12 プリンセス雑感
2001.11 ニューヨークの思い出
2001.9 不景気とは
2001.7 女子テニスプレーヤーというのは宝石だらけで戦っている・・・。
2000.4 ファンシーカットの好みは各国でかなり違うようだ・・・。
2000.2 天然の物が相手になるがゆえのつらさ、というのが常にある。
1999.12 私はダイアモンド業界ではゴルフの世界の尾崎みたいなものだ、といって自己紹介することにしている・・・