◆ ベルギー カラーダイヤモンド買い付けレポート 2003年11月 Page: 1 2 3 4


ウッキーが初めて海外へ行こうとしていた頃、
先輩諸氏からは『外国人とは政治や宗教の話をしてはいけない』と言われたものである。
無理やっちゅうねん、
俺の英語力で出来るわけないやろ、と右から左へと聞き流していたものだが。
最近それを思い出しては‘なんでアカンねん’、別にええやないか、いやそれどころか、日本人はもっと積極的に政治や宗教の話をせんといかんな、と考えるウッキーである。
ここ、ベルギーではそのような話は全くタブーではない。
Sと会うなり『どの党に入れたんや?』と聞かれ、昨日はL氏に『ウキ氏の宗教は?』と聞かれてしまった。
日本人相手に『仏教徒』と胸を張って言えないけれど、年に1度ご先祖様のお墓参りするだけやからね、外国人になら堂々と言っているウッキーである、
“I am a Buddhist.”
もちろん、あとすぐに「全然真面目じゃないけれど」と付け足す事を忘れない、仏教についていろいろ聞かれたら答えるボキャがないからねえ。
最近は日本という国のありようも結構海外で知られてきて、日本人の良さは宗教的に寛容なこと、というのを知っている外国人も多くなってきた。それだけに一層、我々日本人が過激な宗教ではない仏教徒が大多数であるということを喧伝すべきと考える。
また、ウッキーと同じように全然真面目でなくともそれに恥じて‘無宗教’と言わない方が絶対によい、仏教ではあまり言わないけれども、他の宗教はだいたいが言っている、『人はパンのみで生きていけない(信仰せずに生きてはいけない)』、無宗教なんて言っては余計に話がややこしくなる、こいつ不気味なやっちゃなあとなるのだ。

ならばいったい、先ほどの先輩たちのアドヴァイス、これはどこから?
日本人らしい知恵なんじゃないかと考える、いらぬ領域に入り込んで嫌な思いをしなくてもいいように、ってね。
しかし、長年に渡るこのような日本人の態度はロクに考えを持たぬ人間を多数生み出してきたのではないかとも思える。

先ほどボロカスに言った日本の共産主義者たち、
彼らには優れた点がひとつある、
自分たちの思想や考えをしっかりと述べる事が出来る、述べているということだ。

選挙のたびにウンザリすることがある、
候補者と運動員の街頭活動。
やたら候補者名を連呼する運動員のそばで頭ペコペコのするしか能のない候補者、こんな選挙運動が明らかにマイナスになっていることに彼らはいつ気付くのだろうか。
ウッキーは今回の選挙で投票しようと思っていた候補のそんな姿を見て大いに失望、投票に行ったものの引退した塩爺の名前を書いたのであった。
マニフェストなんていう言葉は嫌いだが、頭下げるひまがあったら政策を語ってみろ!
誰もお前たちの汚い頭からフケが落ちるところなど見たくはないのだ!
“お願いします”と言う前に“私はこう考える”と思考のひとつもしゃべりやがれ、カスめ!
しかしまあ、アホかいなというのを通り越して滑稽すぎて憐れなのが“苦戦しています、助けてください”と叫んでいる落選予定候補たち。
『助けてくれ!』と言われて助けに行くのはホンマに溺れて沈みそうになっている時、『しゃあない、あいつに投票しよう』なんて思う人間はあんまりいてないやろね。大多数の人は『ああ、頼りない』と感じて嘲笑するのみであろうことが容易に想像できる。
国民に奉仕するのが国会議員の役割、それを助けてくれとはね。
こんな奴は肝心な時には全く頼りにならない、選ばれてもせいぜい税金使って暴力団と付き合いするのが関の山、我々を助けるなんてことはまず考えられないという気がする。

しつこいけれども、選挙についてはまだまだ言いたい。
投票率が60%、支持政党なしの所謂無党派層が約半分。
この国民の態度ももっともっと批判されて然るべきではないのか。
まず、投票は権利であると同時に義務であるということを何故もっと多くの人が発言しないのか。
日教組のバカ教師どもが長年にわたって教育を歪めてきた結果。
権利ばかり教えて義務を教えない日本の教育の大きな欠陥。
公共のマナーを教えろ、義務を教えろ、権利があるのは義務を果たしてからだということを教えろ!

ベルギーの投票率はほぼ100%である、ホンマやでえ。
投票に行かなければ20ユーロだかの罰金を払わないといけないのが大きな要因であろうが、Sによると、やはり皆それは義務と考えているし何よりも政治に対して無知なことは大人として恥ずべき事という考えが全く当たり前なのである。
我々バイヤーが若いとき少なからずショックを受けたのがユダヤ人たちの政治意識の高さ。
買い付けのとき、商品を見ながら彼らに政治のことについて質問したりなんかするとえらいことになる、ダイヤそっちのけで自分の考えを喋り始め・・なんてことはバイヤーなら何度も経験済みだ。
イスラエルのユダヤ人たちはそのようなことでは恐らく世界一強烈であろう。建国来、敵対するアラブ国家にグルリと取り囲まれ常に緊張状態にある彼らは、いざ開戦となると一枚岩の強い団結を見せるのであるが、平時は対アラブ強硬派と穏健派が拮抗、タカ派のリクードとハト派の労働党という2大政党への支持を巡り、目の前で果てしない大激論が交わされるのを何度も目撃しているのはウッキーだけではないはず。
当然の帰結として、バイヤーには政治に対して無関心無党派などという軟弱野郎は少数派だし、反日的サヨク的な考えをするやつは皆無と考えてよいだろう。

ユダヤ人を見ていると彼らの歴史を少しでも学ぶと、国があってこそ、安心して住める土地があってこそ、安心して吸える空気と安心して飲める水があってこそ、ということをはっきりと認識できるのである。
だから平気で反国家的な言動を繰り返すサヨク野郎たちには吐き気を覚えるし、水と安全はタダと思っている軟弱無党派層には大きな嫌悪感を抱く。

大阪の府議会議員に西野修平という若手ハンサムボーイがいる。
前回、この4月だったかな、の選挙でウッキーの住んでいるエリアから立候補し、見事現職を破って初当選したのだが、選挙戦のやり方がまさに今風で卓越していた。
イケメン運動員を多数揃えて徹底的にオバハン無党派層を取り込んだのである。
ウッキーは選挙が告示されるかなり前から3日空けずに男前・西野君の姿を見ていたけれども、こやつが自分の名前と『お願いします』以外に喋ったことを聞いたことがない、しかしながら、無党派オバハン連は西野君とイケメンボーイたちに握手してもらって有頂天、何の懸念も抱かずに彼の名前を投票用紙に書いたのやろね。
言い過ぎちゃうか、って?
い〜や、
同じ市内に叔母が住んでいる。
この選挙の前日にたまたま叔母の家に遊びに行ったものだから、『どうせ西野に投票するんやろ』と言うとコックリ頷く。
ナッ、ニッー、小さい時によく遊んでもらい、ウッキーによく似た叔母ながら全く許せん!
とばかりに、『自分の考え一言もしゃべれんようなアホに入れる!? 我が叔母ながら全く情けない・・・』と言ってやったのであるが、彼女によると“西野君と握手するオバハンの会”なるものが存在するそうで、全くやりきれまへんな、こんなやつらに選挙権与えたのは間違いや!
ウッキーの罵倒に大いにキズついた叔母はついに投票所に足を運ばなかったそうであるが、無党派層の実態というのは概ねこんなものだろう。

無党派ということをファッションにすべきではない。
結局のところ、ムードやイメージに流されやすい思考停止した人間を婉曲的にそう呼んでいるだけだ。
ベルギーで“私は無党派です”なんて言ったら?
おとなしいベルギー人のこと、笑って『最近の政治家はどこの国でも・・・』とかって微笑してくれるだろうが、心の中では絶対に嘲笑だ。
イスラエルで言ったら?
『お前バカか』とはっきり言われるやろね。
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2005.07 Cut & Polished in Belgium
2005.04 ルフトハンザで出国
2005.02 オリーブの漬物
2004.11 ベルギーの初冬
2004.9 上手なブラフの使い方?
2004.8 2004アジアカップ
2004.4 ゴールデンウィーク に オランダ を想う・・・。
2003.11 Believe me!
2003.7 Vacances!
2003.5 日本とベルギーの規範
2003.3 ベルギー名物と言えば
2002.9 空港のネーミングについて
2002.5 ワールドカップ
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2002.2 ユーロとトラブル
2001.12 プリンセス雑感
2001.11 ニューヨークの思い出
2001.9 不景気とは
2001.7 女子テニスプレーヤーというのは宝石だらけで戦っている・・・。
2000.4 ファンシーカットの好みは各国でかなり違うようだ・・・。
2000.2 天然の物が相手になるがゆえのつらさ、というのが常にある。
1999.12 私はダイアモンド業界ではゴルフの世界の尾崎みたいなものだ、といって自己紹介することにしている・・・