◆ ベルギー カラーダイヤモンド買い付けレポート 2005年7月 Part1  Page: 1 2


欧州は今、夏期休暇の真っ最中。
異常気象の影響を受けているのは日本ばかりじゃないから、ヨーロッパの人たちも場所によっては酷暑とか冷夏に悩まされているに違いないだろうけども、3週間から1ヶ月も休みあれば、まあそれなりにenjoy出来るやろね。僅か4,5日の休みを移動疲れしてしまう日本人は一体何なのだろうと毎年考えてしまう35℃の大阪であります。

ついに郵政解散、
ドゴール元仏大統領は生前に『政治は政治家に任せておくにはあまりにも重要すぎる』という非常に面白い言葉を残しているが、これはフランスから東の方を向いて言ったのだろうね、多分。

今回のこの“事件”、始まりは衆議院本会議での僅差の法案可決から開幕したわけだけども、議論百出、いろんな評論を聞かせてもらってウッキーの頭の中も混乱の極みだ。この場を借りて少し問題を整理したい、もうウンザリという方はここから先はご遠慮下さい。



まず、郵政民営化という事の良し悪し。
民営化に反対意見はいろいろあるけれども、どれも枝葉末節のように思われる。
民営化しなければいけないという意見で一番説得力のあるのは、加藤寛・千葉商科大学長の見解。
― 現在、さまざまな矛盾が日本にあるけれども、最たるものが官業、道路公団を始めとする多数の特殊法人の問題。要らぬ道路を‘相場’よりも遙かに高値で作らせてきたシステムがようやく暴露されたが、こんなこと何十年とやってきたわけで、いったい何兆円の金をドブに捨ててきたことか。規模は小さいけれども道路公団のような不採算特殊法人は1,000個くらいあるのが日本の現状。そしてこれらの特殊法人の財源となっているのが郵便局が国民から集めた郵貯と簡保、しめて約350兆円。各特殊法人が出城とするなら郵政は本丸だ。特殊法人の改革ということで出城をひとつひとつ潰していったところで一体何年掛かるか見当もつかない。それよりも本丸の郵政に攻勢をかけて陥落させ(民営化することにより)特殊法人に流れる膨大な資金にストップを掛ける、これが戦いの本筋、改革の中心である。郵政改革をやれなくて何が改革なのか ―

おっしゃる通りでございますね、加藤氏の意見に反対の方の論理をお聞きしたいものです。

ところがですな、この加藤氏の言ってることの何分の一かでも政府は国民に言って理解を求めているのかどうか、また、大マスコミは特殊法人のスキャンダルを言い立てるばかりでなく、その根本を解き明かすこと、郵政と特殊法人の問題を一体化した上での主張ないし報道をやっているのかどうか、ウッキーの感覚は全く不十分という認識であるし、政府やメディアがそれをどうして出来ないのかという不思議が常に付きまとうのである。
これって全くもってどういうことなんでしょうな。

かつて、“火だるまになっても・・・”と言いながら、国を火だるまにして自分は逃げた首相がおったけども、そのような利権政治屋が特殊法人からゼニを引き出すシステム、郵貯・簡保から特殊法人を経由して利権政治屋へという金の流れを厳しく言い立てるメディアや政治家の不在、実に嘆かわしい限りでおま。

かつて公共工事で滅んだ国家がある、
古代ローマですな。
パンとサーカスを求める国民のためにコロセウムを作り、全ての道はローマに通じると、道路や橋の建設に血道を上げて国家の財政を傾けたわけですが、そんな愚を日本も辿っているのですぞ。
郵政の現状維持 → 無駄な公共事業存続 → 国家財政の破綻
この図式をしっかりと頭に入れとくべきでっしゃろ。


さて次に、郵政民営化法案が参院で否決されたことによる衆院解散という事態をどう見るか。

ルール違反とか独裁者の手法だとか非難する声があるが、法律的に問題なしならばこの批判は的外れということになりますな。
反対派は、首相の言葉はブラフであって、とても解散には踏み込めまいとタカをくくっていた節がある、その読みが外れて自らが与党を離れて下野せざるを得なくなったといって首相に対してヒステリックな叫び声を上げるのは、単にオバハン集団的行為、大人の態度とは云い難い。キミらねえ、信念を持って反対したんとちゃうの? それだったら潔い言動というものが有って然るべきでしょ、だのに、まるでそんなことが感じられない慌てふためきと取り乱し方やねえ。小池環境大臣との戦いになる反対派の急先鋒・小林興起の発言には大笑いだ。
『ローマ皇帝が処刑人を猛獣と戦わせてもてあそんだのを思い出す』
なんですかこれは?
日本の政治屋さんは昔からホンマ比喩が下手でね、しかも語彙が貧困ときている、こんな小林みたいな奴にゃもう消えてもらうしかないのだが、この小林くらいヒドイのはホント久しぶりというか、各メディアが小林の言葉に大した論表をする事もなくほぼ黙殺しているのは論表しようないほどレベルが低いからで、まあアホとしか言いようがございませんな。
小林クン、キミねえ、あんな可愛いオバサンの小池大臣が猛獣に見えまっか、もしも見えてたとしたらアンタ戦う前から完璧に負けてまっせ、ホンマ情けないやっちゃな、有権者は小林がキ〇タ〇ぶら下げとるかどうか確かめるべきやね、ひょっとしたら変態野郎かもしれんからね。それになあ小林クン、アンタ自分のことを処刑人と言ってるけども、そういう言い方をして自分を罪のない弱者の如く見せかけ、有権者の情に訴えかけようとするのはヤメたまえ、姑息な手段、全くみっともないだけや。自分の取った行動に責任を持てと言いたいし、それに相応しい責任ある言葉があるはずやろ。
まあ言っても仕方ないか、小林始め反対派の多くは腰の据わらない利権政治屋集団、自らの保身の為には何でもありなんだから。

ところで、こんな大事な時期に衆院解散して選挙してる場合ではないだろう、もっと他の重要懸案を片付けるべき、との意見も多いけども、しからば聞くが、他の重要懸案とは何なのか?
北朝鮮をめぐる6カ国競技? 
えっ、競技? ちょっと違うやろ、って?
競技でも協議でもあの国相手では同じようなものでしょ、何にしろ結局お話にならんのやからね。むしろホンマに競技にしてね、野球でもサッカーでもいいが、しっかりと決められたルールの中でやってもらいたいね、そうすれば白黒ハッキリする日も来るでしょう。北朝鮮相手では今のような協議ナンボやったところで時間の無駄、ラチあかないのは小学生でも分かります。
それにね、結局この問題がダメなところ絶対に解決しない理由というのは、北朝鮮がアメリカとの2国間協議でもって問題を解決して国際社会の仲間入りを果たしたいのに、アメリカは朝鮮半島に緊張状態を作っておくことが国益に叶うからなんですな。せやから、主導権を持っているはずのアメリカはあえて6カ国協議の場を打開策ないままに設けてそのままズルズルと放ったままにしてある。ホンマに北朝鮮の核を困った事と思っていたらイラクのように空爆すれば済んでしまうことやからね。
ですから、国会がこの問題で建設的な意見出してもまるで意味がないっちゅうこっちゃね。

ならば他の懸案は?
いずれにしても国会というのはゼニの使い道を決めるところでしょ、他の問題というが、郵政以上に巨額のゼニが関連する問題はないと思うけどね。加藤氏の言うように、これをやってのけた後に他の問題を処理できる道筋が出来ると思いますな。
また、憲法問題や安全保障に関してもっと討論すべきと言ってるメディアもあるけども、ならば聞くが、これまでそんなようなことを棚上げして扱う事をタブー視してきたのはオタクらマスコミではなかったのか。もちろん、国のあり方を問う憲法や安全保障は最重要問題には違いないけども、それを今持ち出すのなら、具体的にそれらの何をどう論議してどういう結論を出すのがベストなのかハッキリと言ってもらいたいですな。今すぐに国会で集中審議して来年早々に憲法改正までもっていけるのかどうか。あるいは、集団的自衛権の解釈を国会審議の場に委ね、アメリカに頼らない国防という視点から直ぐにでも自衛の為の核兵器を持てるように出来るのか。
つまるところ具体的にはこういうことでしょ、
さあ直ぐに出来ますか?! さあ、どないだ! 大マスコミよ、返事をしろ!
出来るわけないよね、残念ながら。

政治家のレベルはその国民のレベルだ。これはそのままマスメディアにも当てはまる。メディアはまさしくその国の一般大衆の知的レベルを映し出す鏡。
テレビは、お笑い芸人を使ったバラエティー番組ばかりの昨今だそうだ、どんどんレベルが下がる日本のメディアによって増殖させられる知的レベルの低い日本人という悲しい現実。

大バカ野郎ばっかりの大マスコミに代わってウッキーが物申す!
この夏は郵政が最大の懸案だ!!
国民よ、もっと怒れ!!!

和をもって尊しとなす、聖徳太子の昔から日本の政治は変わっておりまへんな。信長、秀吉、家康など英傑の時代はともかく、この1,500年ばかりの日本は、親分衆の談合政治によって統治されてきたのが現実。だから、ひとたびトップがリーダーシップを発揮しようとすると『強権』とか『独裁』とかっていう変な非難を浴びることとなる。
戦後からこれまでの日本の政治はまさにこの集大成、首相はお飾りであって、政策は自民党の派閥の論理により、一般には非常に分かりにくい決定が圧倒的。派閥の親分たちが密室で総理総裁を選んできたから、わずか数十人の子分(国会議員)を養うだけで日本国の首相になったり、首相を意のままに動かせるフィクサーになることが可能だったわけだ。この自民党の統治システムを考え出した奴はホンマ凄いね、しかし実際はキチガイ沙汰、異常としか言いようがないシステムだ。

そのような土壌からは当然の如く、派閥の利益や党の利益になる施策しか出てこないし、国益を第一に考え、国民の側に立って物事を判断できる為政者が現れるなんてことは奇跡的な事であったわけやね。
政権もあと少しの任期となって小泉首相は、郵政問題をリトマス試験紙としてこのような問題点に風穴を開けようとした、ウッキーにはそんなふうに見えるのであるが。
3人寄れば派閥が二つ出来ると言われる日本の政治土壌である、派閥がいきなり解消されるなんてことは有り得ないだろうけども、少なくとも派閥の論理による政治が解消される方向には向かうべきだし、首相のリーダーシップが発揮されればされるほどその傾向も強まると期待できる。
トップの目指す方向性を非難するのは自由だけれども、リーダーシップを発揮しようとするトップに対して『強権』やら『独裁』やらと言うことはかなりオカシイね。強権とか独裁とかというのは、民衆の支持不支持に関係なく、軍事力をバックに勝手に支配者となった者の手法を言うのであります。日本国の首相はノーマルな選挙で選ばれた国会議員の中から選出されるのですぞ、そんな簡単な言葉の定義も分からなくなってしまっている政治屋やマスコミというのは全く嘆かわしいね。
自分たちが選んだリーダーの目指す方向性にどうしても納得できなければ自らの主張に同調者を集めて民主的にリーダーを代えるべきでしょう。それが出来なかったらリーダーの方向性に歩調を合わせるか、集団を飛び出すか、選択肢は2つに1つ。強権やら独裁やらと吠えるのは、気合の入らない弱っちい奴という印象を持たれてもしゃあないと思うけどね。

ところで、これこそどうでもええけども、
バカ党首率いる民主党。
今回の解散総選挙が郵政民営化の是非を国民に問うことが目的であるにもかかわらず、争点を年金問題や国民の関心の深い他の案件にすり替えようとしているし、岡田は郵政を『マイナーな問題』と切って捨てている。
もう頭に来たからとことん言うたるけども、ホンマこいつは救い難いバカ!
現在の民主党は、55年体制下、かつての“何でも反対社会党”とまるで同じだ。自民党案にはとにかく反対、全て反対、それしかない。今回も、郵政民営化本案に対する具体的な反対内容の表明もせず、修正案提出もなくただ衆参両院で反対した。郵政民営化法案を単に内閣打倒(政争)の具に使ったことは否定できない。この欺瞞を隠蔽するために選挙の争点から郵政民営化問題を避けようとする卑怯。このことを国民はしっかり心すべきだし、許してはならない。そして、バカ党首・岡田は権力の権化となって民主党党首まで登りつめたけども、かつては自民党竹下派に属し、そのお粗末極まりない思考回路や精神構造は本来、自民党の守旧派と何ら変わりないということをよ〜く認識して欲しいですな。

ということで、
今回は首相をトコトン支持するウッキーだ。
こんな民営化ひとつ出来なくて世の中の何を変えられるというのか。
よく引き合いに出されるのが国鉄(JR)と電電公社(NTT)。
世界的に極めて高い技術力を持っていた旧国鉄と電電、これらの分割と民営化は優れた技術力の海外流出につながり、逆に外国との競争力を弱めるとの反対意見が多かったものであるが、そんな意見を言っていた人たちが今どんな釈明をするか非常に興味のあるところやね。
今回の郵政民営化で反対意見の中心は、国民の資産がアメリカへと流出してしまうというものであるが、民営化されたら直ぐに大多数の人が郵便貯金下ろして外資系の銀行へと預けなおすだろうか。もちろんそれも有るには違いないし、決して少ない額ではないだろう。しかし、それら外国へと向かう金は、特殊法人の原資となって利権政治屋の懐に入ったり、要らぬ土木工事をして自然破壊するよりは余程マシだし金額も少ないと確信できるね。
官業を民へと移して今まで失敗した例があったかどうか、
今一度よ〜く考えるべきだろう。


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2005.04 ルフトハンザで出国
2005.02 オリーブの漬物
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2004.9 上手なブラフの使い方?
2004.8 2004アジアカップ
2004.4 ゴールデンウィーク に オランダ を想う・・・。
2003.11 Believe me!
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1999.12 私はダイアモンド業界ではゴルフの世界の尾崎みたいなものだ、といって自己紹介することにしている・・・