◆ ベルギー カラーダイヤモンド買い付けレポート 2004年11月 Page: 1 2 3 4


2004年11月16日、
今日は火曜日、というのは何の意味もないが、
やけに閑散としたAntwerpダイヤモンド街。
いつもメインストリートをそぞろ歩きしているインド人たちの姿よりも制服警官の方が目立つ。
何かあった?
と聞いてみると、

南アフリカの現職大統領がセールスプロモーションにダイヤモンド街を訪れ、ちょっとしたパーティーが開かれるとか。
そんなこと聞いてなかったぞ!
ウッキーには招待状来てなかったゾ!
まあ、しゃあないな、南アものには今のところ用がないと無視しているから。大統領自ら「ウッキーはダメ」と言ったわけでもないだろうしね。


ここ、アントワープのダイヤモンド街には結構有名人が来ている。
2、3年位前には大統領を退いたクリキントンも来訪していた。
その時も招待状もらってない! 
次回、2008年の大統領選で当選間違いなしと言われているヒラリーおばさんのスピーチ聞きたかったのにな。
クリキントンのバックシート・ドライバーと言われ、才女の誉れ高い彼女、スピーチの評判も高いけども、『人生はマラソンです』というフレイズで始まるスピーチが彼女自慢のもの、と聞いた時にはマジで大笑いしてしまった。さぞや各地の卒業式には引っ張りだこなんだろうね。
4年後当選の暁には、ぜひ来日して、その自慢のやつをやってもらいたいですなあ、野口みずきや高橋尚子を脇においてやればバカ受けすること間違いなしだ。

今回の南ア大統領来訪、
Sなどアントワープのダイヤモンド街・メンバーには当然パーティー参加資格があるそうで、Sに『お前、行かんでもええのか?』と聞いたのだが、
「ウッキーが行きたかったら連れて行ってやるけども、二人分の参加費用、1,500ユーロ負担しろよ」
なんて言う。
1,500ユーロ?
約20万円、ひとり10万円!
何これ?
お土産に南アのダイヤ原石でも貰えるのか?
「アホかいな、大統領のスピーチ聞いて、お酒飲んで、軽食つまんで、みんなと和やかにお話して、750ユーロや」
というわけ。
これってちょっとヒドくない? まるで自民党〇△派の資金集めパーティーやないかいな。自民党の方は1人3万とか5万らしいからまだ良心的?
それでも流石にリッチなユダヤ人やインド人、750ユーロ払って参加する人も結構いるとか、義理で行かないといけない奴等もたくさんいるのだろうね。

さて、このアントワープ・ダイヤモンド街は、研磨済みのルースダイヤモンド出荷量ではボンベイやテルアビブに及ばないけれども、原石の取引高では他所を圧倒しているのである。全世界の原石ディーリングの80%以上がアントワープで行われているとか。
Rough(ラフ)とPolish(ポリッシュ)、
絶対に切り離せないものであるが、似て異なるもの、と言えば良いのか?

ラフ(原石)のディーラーは全くポリッシュ、研磨やルースにタッチしないそうである。ラフのディーリングをやり始めると他の商売がやたら辛気臭く思えてくるらしい。地道にコツコツなんて言葉はラフ・ディーリングには有り得ないそうで、我々カタギ衆が入り込めない賭博性の強い商売だとか。
そんなことにはならないと思うが、博打に興ずる人ばかり増えて、アントワープの実業が廃れないことを祈るばかりである。

このAntwerpという西ヨーロッパの中にあって実に地味な地方都市に何ゆえにこのような世界的ダイヤモンド市場が出来てしまったのか? 外部から眺めているだけでは不思議以外の何ものでもない。

1985年の11月に初めてここに来る前に買ったガイドブック、
その当時、書店でいろいろと探してもマイナーな国、ベルギーのガイドブックなんて有りはしなかった、オランダのガイドブックの終わりの方にちょこっと付いているベルギーの薄っぺらいページ、『なんやねん、これは!』と憤りを感じるものの、20年前に自分がどれだけの知識をベルギーに対して持っていたのかと聞かれれば、これまたベルギー人の怒りを買うほど、ベルギー人もそんなに怒らないけどね。
確かベレッタとかいう高性能の銃がベルギー製だったな、
それ以外には?
えっ?
他には何も!?
確かこんな感じだっただろう。

さて、その古いガイドブックに載っているAntwerpの説明。
“ロッテルダム、香港と並んで世界3大港のひとつ”
フムフム、
何じゃ?
一体いつの資料じゃ!
1980年代初頭はまだまだ航空運賃高くて、海外旅行する人も少なかったのだろう、出版社も何十年と同じ資料で見直しもしなかったのだろうな。
ダイヤモンドに関する記述は? と思って丹念に行間を読むように、ガイドブックの行間読み取ってどうするとも思ったけども、とにかく目を凝らして見落とさないようにしたけれども、ダイヤのダの字も出て来ない。
いつしか思考があらぬ方向へ。ベルギーのことは忘れかけて巻頭の写真を眺めながら本文の最初のページを開くと、いきなり飛び込んできた衝撃の見出し!
<ダイヤモンドの街、アムステルダム>
そうなんやねー、
これを知っている人は相当の古株だ。

ここでひとつ問題です。
世界最古の商売は何か?

 

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◆ Back Number ◆
2005.07 Cut & Polished in Belgium
2005.04 ルフトハンザで出国
2005.02 オリーブの漬物
2004.11 ベルギーの初冬
2004.9 上手なブラフの使い方?
2004.8 2004アジアカップ
2004.4 ゴールデンウィーク に オランダ を想う・・・。
2003.11 Believe me!
2003.7 Vacances!
2003.5 日本とベルギーの規範
2003.3 ベルギー名物と言えば
2002.9 空港のネーミングについて
2002.5 ワールドカップ
2002.3 ひな祭り
2002.2 ユーロとトラブル
2001.12 プリンセス雑感
2001.11 ニューヨークの思い出
2001.9 不景気とは
2001.7 女子テニスプレーヤーというのは宝石だらけで戦っている・・・。
2000.4 ファンシーカットの好みは各国でかなり違うようだ・・・。
2000.2 天然の物が相手になるがゆえのつらさ、というのが常にある。
1999.12 私はダイアモンド業界ではゴルフの世界の尾崎みたいなものだ、といって自己紹介することにしている・・・