◆ ベルギー カラーダイヤモンド買い付けレポート 2004年11月 Page: 1 2 3 4


IQ180 という L 氏、ホンマか? と思うが、本当なのであろう、ユダヤ人だからこんな奴が巷にゴロゴロしていても何の不思議でもない。
このオッサンの話を聞いていると何もかもがそれらしく思えてくるから、ウッキーが相当のアホなのだろうが、恐ろしいものである。
L 氏が言うには、R 社が力を入れようとしているカナダの鉱山産出の原石販売実績はアーガイルの約20倍、1カラットあたり 200ドルということである。
これが L 氏の“思い込み”を強固にしている一番の要因に違いない。
しかしながら、カナダがどれだけ良質のダイヤを産出しようとも、カナダからピンクやブルーは出ないのである。DEFGH などノーマルなカラーは世界的に豊富、現在だぶついているのであり、南アフリカやロシアからなんぼでも出て来る。カナダの鉱山が産出すればするほど業界全体にとってマイナスに作用する。下手をすれば1980年代初頭の価格暴落の再来だ。

Argyle の産出不振によって Pink ダイヤの値上がりが不可避なのはある程度仕方がない。しかし、これまでの鉱脈がゆきづまり、新たに莫大な投資が必要であるからと言って、事業そのものを閉じてしまうほどピンクダイヤには魅力がないのかどうか。

ある人たちにとってはDカラーよりも Pink の方がはるかに魅力、そして、そう思う人たちがどんどん増えているのが現状なのである。また、無色透明のダイヤに関して、埋蔵量や流通在庫が過剰でダブつき気味ということを知っている人も少数ではなくなって来ているのである。
今後期待されるのは、明らかに Pink を中心としたカラーダイヤの産出というのは誰が見ても明らかとしか言うしかないと思うのであるが。

ウッキーと並んで L 氏のレクチャーを聞いていた S も、L 氏に大いに反論、
「オーストラリア政府は、R 社を全面的にバックアップしている。Argyle 鉱山の賃貸料を大幅に引き下げもした。Argyle 関連で働く多数のオーストラリア人の雇用とも大きく関連してくるから、万が一、R 社が撤退することになっても政府が放って置くわけにはゆかない」
と主張。

S もたまにはいいこと言う、ウッキーも当然そう思う。
R 社が Argyle を買収したのは、そんな古い話ではない、ここ何年かのことだ。もちろん、大きなロスを出す前に撤退するという見解もあるけども、ダイヤモンド事業の華やかな側面と目先の欲に駆られて買収したのでない限り、ここ2、3年のうちに事業を閉じてしまうなんていうのは早計じゃないかと思う。

それに、現在のアーガイル商品の価格全面高は、オーストラリアの通貨(オーストラリアドル)が対米ドルで、ユーロに歩調を合わせたかのように、いや、それ以上に大幅高となっていることも大きな要因だ。何年か前に 0.9 を切ってしまっていたユーロの対米ドル交換レートがアッという間に上昇、現在 1.3 近く、かつての 1.4 倍なのだが、それ以上にオーストラリアドルの対米ドル価格は値上がりが顕著とか。
商品が値上がりするのは当然の帰結とも言える。

ウッキーの目の前でいろいろ言い合っていた L 氏と S、
最後に可愛いく話題を〆たのであった。
「Japanese レストランのディナー賭けるゾ!」

ガクッ、
流石にユダヤ人、少しでもリスクがあれば大きなものは賭けない。
リッチマン・L氏のこと、
『よーし、1crt の Fancy Intense Pink 賭けた!』
とかって言うのかと思ったけどな。

さて、
今回のスーパーシリーズは、

何と言っても 3crts の Fancy Intense Pink SI2 8角形クッションカット。
暗い感じがなくてパープリッシュ系、品格に華やかさも兼ね備えた超逸品!
65万ドル/crtとか。
言い放題やなという気がしないでもないが、今年の Argyle テンダーにおいて最大のピンクダイヤは2crts、それを大きく上回っているビッグサイズやからねえ、絶対買わない、いや、絶対買えない相手に好き放題言うても罪はおまへんわなあ。頭に来るが全くその通り、ウッキーには関係のないダイヤでありますねえ。
ざっと2億円か、
一度でええから 「 しれた金額やなあ 」 とかって言うてみたいねえ。
これを買って L 氏をギャフンと言わせてみたいねえ。
なあ、なあ、誰かこれをウッキーに買わせてくれる人いてまへんか。
任せてくれたらフェラーリ1台分くらいは値切って買い付け代行してあげるけども。

前回に報告を怠っているが、
2ヶ月前に来た時は、Fancy Intense Green(もちろんGIA)を見ている。
1.72crts のクッションカット。
やはりクッションカットにすると色溜りと歩留まり、ともに良くなるということだろう、カラーダイヤにクッションカットは多いね。
これは60万ドル/crt とかって言うてましたな。割安感があるような気がするが、あまり綺麗とは思わなかった、一つ間違えれば Grayish とかっていうような単語が付きそうな感じでね。
もしもホンマのピンピン Intense Green ならば300万ドルとかって言いそうやね。

これら以外に目立ったものは、
2.5crts MQ Fancy Pink VS2 $32,500
なんかメチャ安く感じるねえ、感覚がおかしくなっている。
1.0crt PS Fancy Intense Blue VS2 $175,000
ウッキーのコミッション入れて2,000万、どないだ、誰か?

今日もアントワープの夜は更ける、
溜息つかずにガンバロー!

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2005.04 ルフトハンザで出国
2005.02 オリーブの漬物
2004.11 ベルギーの初冬
2004.9 上手なブラフの使い方?
2004.8 2004アジアカップ
2004.4 ゴールデンウィーク に オランダ を想う・・・。
2003.11 Believe me!
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2002.9 空港のネーミングについて
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2000.4 ファンシーカットの好みは各国でかなり違うようだ・・・。
2000.2 天然の物が相手になるがゆえのつらさ、というのが常にある。
1999.12 私はダイアモンド業界ではゴルフの世界の尾崎みたいなものだ、といって自己紹介することにしている・・・