◆ ベルギー カラーダイヤモンド買い付けレポート 2003年5月  Page: 1 2 3 4


とかく日本人は“Yes,Noをはっきりと言わない、考えなどをはっきりと述べない”、とか言われているけども、決してそんなことはないと思う、日本人がそんなことないのではなくて欧米人でも我々日本人と同じような場面で優柔不断になる、とウッキーは思うのである。
例えば、Sにしろウッキーの友人であるアメリカ人にしても、付き合いだした当初から、
『メシ食いに行こか、何がええかな』『う〜ん、何にしよう、お前決めてくれ』ってな感じだった。アメリカでもヨーロッパでも、ずけずけと自分の言いたいことを言い放って自己主張するというのはよくあるケースではない、にも関わらず、そんなところばかり真似て性格まで変わってしまったような日本人女性(この事象、どういうわけか女性が圧倒的だ)を時々見かけるのは全く悲喜劇としか言いようがない、本人は海外で自立したアクティブで“稀有な”日本女性を気取っているようだが、この場合の稀有は明らかにマイナスイメージなのだ。
同じ人間、明るい暗いは多少なりともあるに違いないが、国によってガラリと性格が変わってしまうわけがない、日本でも欧米でも自己主張の激しい奴は嫌われる、相手の気持ちを考えて謙虚な人間は好かれるのである。
けれども、冒頭のような日本人ステレオタイプが出来上がってしまっているのも事実、その根本は何なのか。日本人の語学力(英語力)に原因がある、とウキ氏は考える。
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TOEFLだったかTOEICだったか忘れたけども、国際的な英語力検定試験の平均点が、約190の国と地域の中で日本は180番目くらいだったそうだ、100年前の話ではない、ここ2,3年の間の出来事である。工業力は世界NO1、その他だいたいどんなことでも無難にこなし世界のトップレベル、低かったサッカーのレベルも世界ランク25位くらいに上昇した我が国の英語力が世界の最低レベルとは・・・、もう言葉もないが。
とは言え、えらそうなことを言ってるがウッキーも・・・。

ウッキーは兵庫県西宮市にあるK大出身だ、第一志望は東京のK大だったがあえなく2年連続でKO負け、なんてつまらんしゃれを言うてる場合ではないが、キャンパスが綺麗でアメリカンフットボールが強くて(と言えば卒業生の方は気が付いてくれるだろう、お便りくださいね、と縁故にすがりつくあさましい根性)、卒業したことに一応満足している。当然ながら英語は中1の時から10年余り勉強し続けた、大学卒業と同時に商社に就職したが入社当時はほとんどしゃべれなかった。30代40代の先輩諸氏はそれはもう英会話の上手な人が多くて、中には英検一級のみならず商業英語A級まで持ってる強烈な達人がいたりしてホントに自分が情けなくなったものである。
どうにかこうにか海外で格好がつくようになったのは30代に入ってからだった、皮肉な事にそのころにはその商社を退職していたのだけれども(英語が下手やからってクビになったんとちゃうでえ、念のため)。
そんなウッキーだけに英会話上達のプロセスと初歩の英会話でのトラブルはたくさん経験している。
“How are you?”と言われて“How are you”と返してしまったくらいなら心配ない、
ああ、こいつはほとんどしゃべれないんだと相手も理解してくれて英会話にならないから。
問題は少ししゃべるようになってきた頃だ。相手の外国人は、‘いろんな事をそつなくこなす日本人、当然ながら英会話もそこそこ’と思っているのだ、普通のペースで喋りながら反応を待っている。運良く話の内容が聞き取れて返事する語彙を思いついたらラッキーだが、初級レベルの間は到底無理だ。聞けない、聞けても返す言葉が見つからない、ということになる。そこで“ごめん、ワシ、実は英語メチャ下手やねん”と言う勇気があれば誤解を受ける事もないのだが、残念ながら日本人でそう言える人は案外少ないのである、ウキ氏もそうだった、海外で(あるいは日本国内で外国人に)ええカッコしたいから解らないのに解った振り、そして冒頭のようなステレオタイプ日本人がまたまた誕生となるのである。話の内容が解ってないのにイエスもノーもないのである、答える英語のボキャがないのに考えも何もあったもんじゃない。“・・をはっきり言わない”のではなくて言えないのである。

言葉が理解できない時にはまず“NO”と言っとけば無難だし、少しなら理解出来そうだと感じたら勇気を出して“Excuse me?”とか“Pardon?”とか使って何度も聞きなおすことが実に大事だと今でもつくづく感じる、日本人はこういう単語を使うのが本当に下手だ。
そこの新婚カップル、ヨーロッパで微笑連発してるだけではアカンでえ!!!

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◆ Back Number ◆
2005.07 Cut & Polished in Belgium
2005.04 ルフトハンザで出国
2005.02 オリーブの漬物
2004.11 ベルギーの初冬
2004.9 上手なブラフの使い方?
2004.8 2004アジアカップ
2004.4 ゴールデンウィーク に オランダ を想う・・・。
2003.11 Believe me!
2003.7 Vacances!
2003.5 日本とベルギーの規範
2003.3 ベルギー名物と言えば
2002.9 空港のネーミングについて
2002.5 ワールドカップ
2002.3 ひな祭り
2002.2 ユーロとトラブル
2001.12 プリンセス雑感
2001.11 ニューヨークの思い出
2001.9 不景気とは
2001.7 女子テニスプレーヤーというのは宝石だらけで戦っている・・・。
2000.4 ファンシーカットの好みは各国でかなり違うようだ・・・。
2000.2 天然の物が相手になるがゆえのつらさ、というのが常にある。
1999.12 私はダイアモンド業界ではゴルフの世界の尾崎みたいなものだ、といって自己紹介することにしている・・・