◆ ベルギー カラーダイヤモンド買い付けレポート 2004年4月 Page: 1  2 3


緑の美しさが目に眩しい初夏、
西ヨーロッパ、そしてベルギーは最高の季節に入ろうとしている。
梅雨はないが短い春と夏、人々はこの約4ヶ月の間存分に清々しい好天をエンジョイするのだろう。

3月の末にサマータイムに移行し時計の針が1時間進められたということもあるが、もともとの高緯度地域、日本と比べると昼間の時間がものすごく長い。日没は8時半から9時過ぎだろうか、それに日本のように日が沈むと一気に夜になるというわけではない、いつまでもtwilightが続いていて、完全に夜になってしまうのは日付が変わる頃ということになる。
Twilight − トゥワイライト、薄暮というのが日本語訳であるけれども、どうも薄暮と言ってしまうと実際の twilight のようにロマンティックじゃないねえ、日本にはない自然現象、適当な言葉がないのは仕方がないか − 樹木の葉陰がなんともヨーロッパという雰囲気を醸し出している。
Twilight の薄明かりを感じながらベッピンさんとカフェの外のテーブルに座ってワインなんぞを飲みながら・・・なんていうのは最高だと思うのだが・・・、残念ながら、ひとりじゃなかったら横にいるのは S に決まっている、全く S というのは欧州の爽やかな夏が似合わない男なんだなあ、なに? ウッキーにだけは言われたくない?
そんなことおまへん、かつてはウッキーだって・・・。
というわけで、古い写真を持ち出して皆さんにもベルギー、オランダの春夏を楽しんでもらいましょ。

最初の5枚、これらはベルギーの古都・ブルージュだ。
奈良や京都のように1,000年を越える歴史はないが、中世に栄えた都市である。ご覧のように運河が街の中を巡っていて小船に乗って遊覧するのがお決まりの観光パターンだ。ブルージュというのは現地の言葉で恐らく“橋”という意味だったと思う、かつての大阪のように運河の上にたくさんの橋が掛かってたんやろうね。








ここを訪れたのは多分1987年かな、日差しが結構強くて風も強かったという印象が残っているけども、あとはあんまり覚えておりまへん。綺麗だけどもアクセントに欠ける街やなと。歴史と自然は見事に調和しているけども、何となく人の臭い(匂い)がしないなあという気がしてね、ちょっとつまらなかった。ベルギー屈指の観光地ということで整備されすぎ? 新築マンションのように生活感が乏しいせいかな。


次の7枚、これは説明の必要もないほどだが、オランダのキューケンホフ、
オランダ → チューリップ → キューケンホフ、というくらい超有名な場所だ。
16世紀か17世紀の頃かな? オランダでチューリップバブルが発生、珍種の球根が大粒ダイヤモンドを大きく上回るような値で取引されるという超が付く馬鹿げた状況に発展したそうである。もちろんこんな異常事態が長続きするはずもなく、投機買いで大きな損失を被ったアホたちのオンパレード、当時の最先進国、自由の空気みなぎっていたオランダの翳の側面と言えるだろう。さすがにオランダ政府(国王?)もバカなことが2度を起こらないようにチューリップ取引について介入したらしい。そんなバカやってもなおチューリップがいまだに国の産業なのだからオランダ人のチューリップに賭ける意気込みというのは半端なもんやないねえ。
さて、その現地、遠くの方まで続くチューリップ畑に隣接しての広大なチューリップ公園がキューケンホフだ。ヨーロッパの観光地というのは当時には既に日本人いっぱい状態だったけども、ここは白人たちの姿が圧倒的だった。奴らがどのように花を楽しむのか、それも興味あるところだったが、同じやね日本人と。違うのはマナーかな、タバコ吸いながら・・というやつは皆無、アメリカに比べて喫煙制限は厳しくないヨーロッパ、日本同様街路に吸殻はたくさん落ちているけども観光地でのマナーはぜひ日本人も見習ってもらいたいね。ウッキーもレストランに入ってやっとホッと一息、タバコに火をつけたのであった。

これに関連してのもう一つの大きな違い、それは場内のアナウンスは皆無、注意書きや立て札の類が極端に少ないことである。マナーが徹底されているからそんなものは必要じゃないし、またそのようなものによってせっかくの景観や静けさが全く台無しになってしまうということを皆がしっかり理解しているのやろね。
残念ながら日本なら・・・、10mおきに“喫煙、飲食、飲酒等の禁止”“花の中に入るな”“花を触るな”“ペットに大小便させるな”など等など等など等など等・・・・もう数え切れないくらいの注意書き+場内アナウンス、もう鬱陶しくて仕方がない、せやからウッキーは連休でも家におるわけや(ホンマか?)、みんなよくガマンしてるよね。
このゴールデンウイーク、皆さんが日本の観光地で不快な思いしないようお祈りしてます。

まあそんなことはどうでもええけども、ホンマは良くないが、生活感どうのなんて関係なしに実に見事な花々。デジカメじゃないのでクッキリはっきりとゆかなかったのがホンマ残念だけど、雰囲気だけでも充分味わって頂けることと思う。

ウッキーが同じような格好してるから多分1987年だろう、季節はちょうど今頃、ゴールデンウイークのころ、オランダのチューリップというのは意外に寒い時期から開花するようで、花のまっ盛りは4月の20日くらいではないのかな、もうシーズンも終盤というような感じであって少し残念な思いが頭に残っている。
このような公園とか観光農園のようなところは花を付けたチューリップを咲くがままにしてあるが、チューリップを商品として出荷しているところも当然ながら多く、と言うか、むしろそちらの方が多いわけで、オランダじゅうの畑がチューリップで埋まってしまうのを見たいのなら4月の半ばくらいまでに来ないといけないのだろう。世界的な暖冬で近年はもっと花の季節が早まっているのではと懸念される。
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しかしまあ、日本の連休中に買い付け! 今では考えられんネエ、この時ももちろん泣く泣く行ったのだった、というのはウソで、そのころは海外に行けたら何でも良かった、エコノミーの狭い苦しいシートだろうがお休みの真っ只中だろうが、インドだろうがイスラエルだろうが全く苦にならなかった、若いネエ、写真の通り、29歳かな、ワシにもこんな時があったのかと深―く感慨に耽るウッキーである。
この頃は買いつけの度に休みを利用してどこかへ出かけてたんやな、アルバムを開くとこんな写真がいっぱい出てくるのであるが、サラリーマンやからねえ、火曜日のフライトで出国、水木金と仕事して土日休んで月火水また仕事して木曜の便で帰国の途に、日本に着いたら金曜というほとんど2週間をつぶしながら実際働いているのは数日という今じゃ考えられぬ日程だけは大名旅行!!! あー懐かしい、そんな時代はまた来るのかね?!

ゆっくりと買付けを楽しめることは将来出来るかもしれない、というのはホンの少しだけ思う時もあるけど、絶対に2度とないと断言できるのがバブルエコノミー、その当時の写真が次の2枚だ。
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1989年8月。
まさにバブルのピークの頃か。
このころはカラーダイヤとは全く縁がなくて、ご覧の通りの白シャツでメガネをかけての買付け風景だ。日本の経済的な退潮に歩調を合わせたわけでもないだろうが、写真のような典型的ユダヤ人ブローカーというのも今日では本当に少なくなっている、ホンマ貴重なショット、何年か後にはダイヤモンド博物館に展示されそうな写真やねえ、当時のアントワープ・ダイヤモンド街はこんな奴らがメジャーでね、良いもの、儲かりそうなモノの多くは奴らが握っていたような気がする。
デスクでキッチリ視線を合わせ、いかにもいかにも・・というふうなウッキーであるが、指を2本立てているところを見ると、多分『2,000ドルにせんかい!』とかって言うてるのやろね。白いパッドの上の黒いペンケースは、おお懐かしや、高校入試の合格発表見に行った帰りに120円で買ったものだ、自慢じゃないが、これは約20年使ったのだ!!
それにしても、このオッさんたち、ハゲ頭並べおってからに、さも真面目風だが、こいつらにはよく騙されたね、バブル期だったから少々のことは全く問題なかったけども。
 
――― 続くーー
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2005.07 Cut & Polished in Belgium
2005.04 ルフトハンザで出国
2005.02 オリーブの漬物
2004.11 ベルギーの初冬
2004.9 上手なブラフの使い方?
2004.8 2004アジアカップ
2004.4 ゴールデンウィーク に オランダ を想う・・・。
2003.11 Believe me!
2003.7 Vacances!
2003.5 日本とベルギーの規範
2003.3 ベルギー名物と言えば
2002.9 空港のネーミングについて
2002.5 ワールドカップ
2002.3 ひな祭り
2002.2 ユーロとトラブル
2001.12 プリンセス雑感
2001.11 ニューヨークの思い出
2001.9 不景気とは
2001.7 女子テニスプレーヤーというのは宝石だらけで戦っている・・・。
2000.4 ファンシーカットの好みは各国でかなり違うようだ・・・。
2000.2 天然の物が相手になるがゆえのつらさ、というのが常にある。
1999.12 私はダイアモンド業界ではゴルフの世界の尾崎みたいなものだ、といって自己紹介することにしている・・・