◆ ベルギー カラーダイヤモンド買い付けレポート 2002年5月

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2002年5月17日、買い付けから帰国、
自宅でパソコンにむかっている。
ワールドカップまであと2週間、日本代表メンバーの発表。
中山、秋田というもう可能性ほとんど0と思われていた二人が入り、左足の魔術師中村が落選。
いろいろ賛否両論あろうけども、私、ウキ氏としては前回カズが落選したような違和感はない、中山が入ったことでむしろトルシエを支持したい。同時に紹介された彼のコメントを聞いてその意を強くした。

『選ばれた代表はプライド、野心、才能の象徴・・・・・、彼等は日本を代表するミッションと責任を持たねば・・』


フランス語をそのまま直訳したような熟れない文章だけど、逆に、それだけにトルシエの判断基準がよく解る。
野心という表現になんともトルシエらしさを感じる。
アメリカ人だったら野心のところにハート、と入れるのだろうなと思う。
いずれにしても今の日本人に最も欠けてる言葉、必要な言葉やね、よくぞ言ってくれたトルシエちゃんである。
特に日本を代表するミッションと責任、なんていう言葉は外務省の官僚のデコにでも書いてやりたいくらいだ。
それにしても、誰か日本人でこんなこと言うてくれるやつおらんのかいな。

6月4日、楽しみやねえ、もう今からわくわくしますな。
前回お約束した通り、ウッキーはベルギー代表について調べてきた。
とりあえずSに聞いてみた、『ベルギー代表の司令塔は?』、やつの答え、『司令塔って何や』、いろいろ説明したけど解ってもらえない、仕方なくウキ氏は質問を打ち切った。日本代表の司令塔が中田であることくらい日本人なら小学生の女の子でも知っている。Sは生意気にも半年前組み合わせ抽選が終った後、もう決勝トーナメント進出が決まったみたいにはしゃいでいた。こんなやつにバカにされていたのかと思うと情けなくなってきた。
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結論、ベルギーのサッカー熱は大した事はない。
これで済ましてはいけない、なんせ6月4日は間違いなく来るのである、そう思い返しあと何人かにインタビュー。
それを簡単にまとめると、
率いるは、ワセージ監督、やや健康に問題あるとのこと。10ヶ月ほど前に心臓にちょっとトラブルが発生したらしい。日本に負けそうになりグランドで倒れるなんてならないようにしてほしいもの。性格的には温厚でとてもFairな人らしい。Fair,というのは具体的にどんなことなのか、恐らく代表選出とか出場メンバーの人選とかのことを指すのであろう。
結論、ベルギーチームの戦意は昨年の野村阪神よりも上。
ゴールマウスの守護神はDeVlieger(デヴリーガル)、ヨーロッパでも有数のゴールキーパーだそうである。
的確な判断力と指示、勇猛果敢な性格、う〜ん・・・、
結論、こいつに対抗できるFWはやはりゴンしかおらん。
なんぼええゴールキーパーがおったかて点取らな勝てんやろ、
そう、敵も相当決定力不足で悩んでいるようだ、最近行われた親善試合で日本がノルウエーに0−3で敗れたのは論外だが、同日に行われたベルギーとアルジェリア、これも0−0。ベルギー攻撃陣の貧弱さを浮き彫りにしていた。
そんな中、ベルギー国民の期待を一身に集める若い点取り屋、Sonnck(ソンク)。 The Best Striker in Belgiumであるそうな。
結論、若いソンクを色仕掛けで骨抜きにしてしまえ、6月4日は腰フラフラ状態でピッチに立ってもらおう。隣国フランスの影響でXXXは大好きで自信を持つベルギー人、多少の色仕掛けではびくりともしない可能性もある。そんな時には秋田のアゴで押さえ込んでもらうしかないだろう。
マジな話、ベルギー人も相当自国チームのコンディションを懸念している。ヨーロッパ予選終了時から見て最悪の状態とのこと。 日本のチャンスは十分と見た。

アントワープに着いたのは5月12日の日曜日だった。
ヨーロッパは3月の末くらいからサマータイムに切り替える、時計の針を1時間早めるわけだ。
最高のシーズン到来、午後10時半くらいまで明るい、と言っても時差ぼけのせいでその時間既にベッドの中、時折目を覚まして時計を見て一瞬いつなんやと面食らうことしばしばだ。
ウッキーはもうやらなくなったけど、仕事を終えてからのゴルフワンラウンドなんて夏のヨーロッパでは常識である。あまり好きでないウキ氏でもあれは気持ちよかった。
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仕事をしたのは3日間、いつも通りハードなスケジュール、朝の8時から夜の7時くらいまで、昼飯はどこに入ったのかわからない。夕飯を食う元気もなかった。あまりあちらこちらと飛び回ることはないのでそんなにもカロリー使う事もないのだろうけど、とにかく朝食だけはしっかりと摂っている。パンにチーズとジャム、コーンフレークに牛乳、スクランブルエッグにベーコン、ハム、ソーセージ、野菜とフルーツを少々、ジュースにコーヒー。こう並べてみると結構な量ですな。並みの女性が食べる3倍くらいになるかもしれない。これで夕食なんて・・・おいおい、と言われそうだ。
前回少し紹介したカラーダイヤの帝王、L氏、今回すごいダイヤを見せてくれた。
GIAの鑑定書付き、Fancy Deep Green、1.10crt。
YellowishとかBrownishとかのグリーンはたくさんあるけどもピュアな緑、しかもGIAでグレーディングされているものを見るのは初めてだ。とにかく素晴らしい色。もうこれ以上のものは恐らく一生のうちに見られないのではないかと思う。
さすがのGIAもこのダイヤのグレーディングに1年を掛けたそうだ。いろんなグリーン系のダイヤと比較する時間が欲しかったのであろうし、念入りな天然石であるという鑑別にも時間が掛かったに違いない。L氏にとってこの1年という時間はまさしくプラスに作用した。折からのカラーダイヤブーム、値段の高騰。放っておいて価値が大幅ア
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ップだ。値段を聞いたら70万ドルというもうどうでも勝手にしてくれプライスが返ってきた。L氏はこれを原石で買っている。原石のビジネスというのは磨いてみないと正確なところはわからない結構ギャンブル性の強い世界というのは前回述べた通りだ。カラーダイヤの原石となるとこの傾向はもっと激しい、まっ茶色の原石から
ファンシーインテンスピンクが磨り上がるなんてこともありうる世界なのだ。だから当然原石のまとめ買いは安く買えるのである。
L氏の含み利益は如何ほどか、もうため息が出てしまう。
このL氏の商品がS経由でそこそこ東京に出回っている。Sの兄は東京で事務所を持って、割りと有名なダイヤモンドディーラーなのだ。
最近の物で少し目立ったところのものは<0.38crt、Fancy Vivid Blue>、東京の2,3の会社が委託で借りてインターネット上で公開していたから見られた方も多いのではないかと思う。ウキ氏の滞在中に目出度く売約、Sはまあまあの利益を確保したようだ。
カラーダイヤの面白さを教えてくれたのはSであるしSがいなかったらL氏とも会えなかったのであるからまあ仕方がないのだけれども、L氏のカラーダイヤを結構な量日本で売りに出したのは他ならぬウキ氏、Sはその買い付けを横目で見て値段帯とグレードを参考にしながらウキ氏のいないときにピックアップしているのである、
なんか釈然としないのだが・・・これがパイオニア(オーディオメーカーの固有名詞ではない)の宿命なんだろう。

イメージ3 北朝鮮からの亡命者問題をめぐってまた日中関係がギクシャクしている。
日本の主権を侵害し我が国を属国のように扱う中国には当然日本人として頭に来るけども、中国人にそのような態度を取らせる原因を作っているのが日本人自身であるということを認識しないといけない。日中問題の9割以上は実は日日問題なのである。
朝日新聞をはじめとする旧左翼勢力、親ソ反米路線は冷戦終結で方向転換を余儀なくされ、最近は親中反日の姿勢が明白だ。彼等の

目的は いったいなんなのか、全くもって理解に苦しむところだが、恐らく国民を長年にわたってミスリードしてきたことに対する非難を巧みにかわしているつもりなのであろう、あるいは社会主義崩壊による大きな喪失感からもって行き場のないものを反日へと駆り立てているような感じだ。教科書問題、靖国神社問題などなど事ある毎に彼等は事実を捻じ曲げ日本に不利益な報道をする、しかもご丁寧に中国政府にご注進に及び、中国の後押しをする。80年代初頭に起こした第一次教科書問題のように意図的誤報、捏造をやってまで反日キャンペーンを張る。あれだけやっていただいたら中国とて日本批判せずにはいられないだろうし、日本には何を言ってもいいのだな、みたいな心理となるに違いないことは容易に想像できる。彼ら反日マスコミのせいでどれだけ無駄なエネルギーが使われた事か。
そして、日本国の利益ではなく個人、小集団の受益を優先させる政治屋と官僚。
ムネオの保護者の野中やオイルポマーダ―橋本なんかは対中国ODAのキックバックが随分とあるのだろう、彼等は中国政府要人の代弁者と成り果てているし、彼等に使われるバカ官僚どもは関心があるのは自らの蓄財だけで、それが叶うならムネオのケツでも舐めるのである。
こんな奴等が相手なら誰だって見下してものを言う事になる。
お真紀さんの実父、田中角栄首相(当時)が電撃的に北京を訪問し日中国交回復してからちょうど30年。
日本の高い技術力と中国の安い労働力、天然資源が結びついて双方ともに大きなメリットがあると両国首脳の思惑が一致した結果だったが、そんな甘い汁を簡単に吸わせるかとばかりにアメリカが仕組んだのがロッキード事件。田中氏の権力を削ぎ、同時に日中関係にヒビを入れようと意図されたものだった。あの当時は中国政府が敬意を払う園田外相などの政治家が日本にいたし、アメリカがあんなことやったのも田中角栄というメチャ頭の切れる男を恐れたからであった。今の日本政府・政界を見渡して、いるのは小粒ばかり、そして仕掛けなくても自分で転ぶアホばかり、餌をもらえるならどこにでも泳いでいく金魚とそのフンのような官僚たち、
ウキ氏はいつまで国を憂わねばならないのだろう。

さて、各国代表が続々と来日している。
次の週末なんかはもう盛り上がりも8分咲き、各地からいろいろと関連ニュースが入ってくるに違いない。
ウキ氏の次の出張は7月半ば、Sを相手にどんな話をしているのか、『もう勘弁してくれ・・』とSに言わせることのみを楽しみに生きるこれから1ヶ月である。



◆ Back Number ◆
2005.07 Cut & Polished in Belgium
2005.04 ルフトハンザで出国
2005.02 オリーブの漬物
2004.11 ベルギーの初冬
2004.9 上手なブラフの使い方?
2004.8 2004アジアカップ
2004.4 ゴールデンウィーク に オランダ を想う・・・。
2003.11 Believe me!
2003.7 Vacances!
2003.5 日本とベルギーの規範
2003.3 ベルギー名物と言えば
2002.9 空港のネーミングについて
2002.5 ワールドカップ
2002.3 ひな祭り
2002.2 ユーロとトラブル
2001.12 プリンセス雑感
2001.11 ニューヨークの思い出
2001.9 不景気とは
2001.7 女子テニスプレーヤーというのは宝石だらけで戦っている・・・。
2000.4 ファンシーカットの好みは各国でかなり違うようだ・・・。
2000.2 天然の物が相手になるがゆえのつらさ、というのが常にある。
1999.12 私はダイアモンド業界ではゴルフの世界の尾崎みたいなものだ、といって自己紹介することにしている・・・