◇◆ ファンシー ストーリー第2話 ◆◇ |
世界史と日本史、高校時代どっちが得意でした? 私は、日本史の資料を古文で読まねばならないのがいやで、もっぱら世界史に力を入れておりました。でも反対に、長ったらしいローマ皇帝の名前やら神話のようなわけのわからない出来事を暗記することに抵抗を感じていた友人も多かったようです。 さて、この世界史の中でとりわけ神秘的なもの、と言えばやはり「モーゼ」とイスラエル民俗の「出エジプト」でしょう。言うまでもなく、ばりばりの旧約聖書の世界ですね。 エジプト軍勢に追われ、海に行く手を阻まれたモーゼが海の上に手を差し伸べると海水が二つに割れ、陸地が現れ、、、、という話で有名ですね。ユダヤ人やキリスト教徒には失礼ですが、私のような普通の日本人には、「その時、多数の鮫が現れ、対岸まで橋を架けてくれたのです。」と、言ってくれた方が真実味があります。 モーゼの兄にアロンという人がいました。旧約聖書の出エジプト記によると、神はこのアロンのために12個の宝石を並べた 胸当てを作ることを命じました。ワコールがダイアモンドで表面を覆ったブラジャーを作ったようなものですね。 当時の人たちにとって、まさにあぜんとする出来事かと思います。 アロンには別段変な趣味はなかったようで、かれの名誉のために申し上げますと、聖所で司祭の勤めをすることを神に命じられ、そのユニフォームの一部ですね。 いずれにしてもこれが、誕生石の伝説の始まりです。 でもこの12個の宝石、何だと思います? 紅玉髄(カルセドニー)、貴かんらん石(ぺリドット)、水晶、ザクロ石(ガーネット)、瑠璃、赤縞めのう、黄水晶、めのう、紫水晶、碧玉(石英、ジャスパー)、黄碧玉、縞めのう、、、 な、な、何だこりゃ?ですよね。ダイアモンドはおろか、サファイア、ルビー、エメラルドさえ入っていない、水晶、石英系のものばかりです。それらは広義ではもちろん宝石(ジュエリー)ですが、狭義では半貴石(セミプレシャスストーン)といいます。しかも旧約聖書ではそれら12個の宝石を、イスラエル12部族の象徴としているのです。「何が誕生石なのだ、まったく関係ないじゃないか?」と誰しも不審に思います。 実は、100年近く前、ニューヨークの宝石組合が販売促進のため、上記の旧約聖書の話をモチーフにして誕生石を設定したことが世界的流行の発端になったのです。 「む、む、またしてもアメリカ人にしてやられたか?! 」と怒らないで下さい。ヴァレンタインのチョコは言うにおよばずですが、大阪人なら節分の日にどこかの方向を向いて巻き寿司にかぶりつくでしょう。 その類いです。 これこそ全く意味もなにもない、ある寿司屋のチェーン店がやった企画が大当たり、わずか10年ほどの間に東京の人たちにまで知られるようになりました。 あと50年もすれば、あたりまえのように節分に巻き寿司を食べる人ばかりになるのでしょうか。それはかまいません。しかし、 意味も考えず、誕生石の婚約指輪を買ってもらうのは御勘弁願いたい。 Cosmicはここに、新しい「誕生ダイアモンド」なるものを設定したいと思います。 |
無色透明のラウンドブリリアント 清楚な新春のイメージで。 |
ハート ヴァレンタインデー |
黄色 菜の花 |
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1月
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2月
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3月
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ピンク 桜の花びら |
マーキース 初夏、若葉 |
ペアシェイプ 雨季、天からの恵み |
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4月
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5月
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6月
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トリリアント 星、天の河 |
オレンジ 燃える太陽 |
オーバル 夏の残照 |
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7月
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8月
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9月
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エメラルドカット 透き通った空 |
ブラウン 紅葉 |
プリンセスカット オリオン座 |
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10月
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11月
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12月
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いかがでしょうか? といってもなかなか現物を見てないとイメージが湧きにくいでしょうね。しかし、私の意図は充分ご理解くださったと思います。 そうです、 本来、宝石はダイアに限らず自らが意味を持たせるものではないでしょうか。 そしてfancy diamondは、まさにその意味で自分自信を大いにアピールできるアイテムではないかと思います。 さてキンピカの胸当てをつけたアロン氏、毎日見ているうちにやはり半貴石より本物の宝石がほしくなってきました。祭司としてなにか威厳が足らないし、この前は道ですれ違った女の子のグループから、「なんやの?あのおっさん、ガーネットやぺリドットをうれしそうにつけて、アホちゃうん?」と言われてしまったのです。 けれども、ダイアやルビーに変えてくれなどと、神に言えたものではありません。なにせ相手は川の水を血に変えたり、かえるや虫を大量発生させたり、海の中にいきなり陸地を作ったりできる全能の神なのですから。ちょっとでも機嫌をそこねたら大変です。どんな恐ろしい地獄の責め苦がまっているやら、、、。 悩んだアロンはモーゼに相談しました。 さすがにやり手の弟です。少し考え、そして彼は言いました。 「アニキ、エエ考えおまっせ。」と、すみませんモーゼの兄は万田銀次郎ではありませんでした。 「あんちゃん、もう少しの辛抱だ。約束の地に入ったらあんちゃんを世界初のダイアモンドディーラーにしてあげるから。」 このようにして、アロンを祖先とするユダヤ人のダイアモンド流通機構、DeBeersが誕生したのでありました。 |
◆ Back Number ◆ | |
第20話 | UKIカラーで綴った枕草子 |
第19話 | 古今和歌集ダイヤモンド語訳 |
第18話 | 2006W杯 × Fancy Color |
第17話 | That's Baseball |
第16話 | トリノの余韻 |
第15話 | “The Aurora butterfly of Pease” |
第14話 | Fancy June ... |
第13話 | ウッキー夜話 |
第12話 | 『春のダイヤ人気番付』 |
第11話 | 2003年 南船場の秋 |
第10話 | 「白シャツ」と「白ダイヤ」にご注意。 |
第9話 | 初詣 |
第8話 | 秋 |
第7話 | 日本の色 |
第6話 | オリンピック随想 |
第5話 | お正月に想う |
第4話 | ブルーダイヤ、高価とは聞いておられるでしょうがどれほど高価なのか・・・ |
第3話 | 同じ赤でもピンクダイアとルビーではかなり色に違いがあります・・・ |
第2話 | 新しい「誕生ダイアモンド」なるものを設定・・・!! |
第1話 | 『fantasy』で『fantastic』な『fancy world』へ御案内。 |